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小倉織

投稿者:(M)

数年前、「小倉祇園太鼓」を見に出かけた。太鼓の日にふさわしい熱い夏の日だった。街中に太鼓の音が溢れて、威勢のよい祭装束の人々が行き交う。そんな小倉の街の、紫川に近いあるお店で、縞模様に出会った。

東京・六本木にあるテキスタイルの店「NUNO」が好きだった。東京ではいくつかのデパートにもNUNOの製品を扱うコーナーがあったので、気楽にのぞいて見ることも、たまには製品を買うこともできた。見ているだけでも織の表現の複雑さや奇抜さにワクワクしたものだ。九州に移ってもそんな刺激が欲しかったので「NUNO」に問い合わせると、小倉に製品を扱う店があるとのこと。祭見物のついでに寄ってみようと思った。

その「布・アネックス」の片隅に遠慮がちに並んでいる縞模様に目が留まった。聞けばオーナーの姉上(築城則子氏=日本工芸会会員)が、江戸時代には袴の生地などに重宝されたのに廃れてしまった「小倉織」を復元させたという。それを現代の製品にするために工場生産したものだった。木綿とは思えないほどしなやかで光沢のある細い糸が織り出す縞模様は、江戸時代の日本人の心意気そのままに繊細でありながら力強く、心惹かれるものがあったが、並べられていたのはネクタイや財布、名刺入れなど四角い小物が中心で、黒を利かせた潔い縞は女性向きには難しいように思えた。

その後、何度か意見を交わす機会があり、「布を売りたいのなら、小物よりもインテリアをやってみては?」と提案した。ファッション小物は使う布の量が少なく、価格の大半を外注の加工費が占めてしまうと思ったからだ。その頃にはオーナー・渡部英子さんの人柄のせいもあって多方面からの支援を受け、「縞縞(しましま)」というブランド名が付いて柄のバリエーションも増え、商材として整って来ていた。

とりあえず取り組んでもらったのが、私どもの座卓に合わせて売ることができる座布団だった。こうして「小倉織・縞縞 茶席判座布団」が生まれた。販売価格は1枚7500円、決して安くはない。だが洋物の縞にはない陰影のある縞の表現が支持され、サイズ(48×43cm)はもとより中綿(綿100%)や綴じ糸にこだわったこともあって、私どもが窓口となって販売した数だけでも400枚を超えた。

この夏も「家庭画報通販カタログ」での販売が始まります。その頃には小倉ではあの日と同じ祇園太鼓が鳴り響いていることでしょう。「瓢箪から駒」ならぬ「太鼓から座布団」のお話。(M)


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