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筑紫野から武蔵野へ

投稿者:(S)

“東風吹かば匂いおこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ” 平安時代の学者であり政治家でもあった菅原道真が、藤原時平の讒訴によって太宰府に流されて詠んだこの有名な歌は、JR都府楼南駅にも、西鉄都府楼前駅付近にも掲げられている。この周辺は菅公に縁が深い。当時の中心建造物であった都府楼は、今は楼を支えた礎を残すだけだが、ときどき散歩の途中で立ち寄って建立されていた楼閣の姿を思い浮かべるのが私の楽しみでもあった。

今からちょうど12年前、私どもは仕事場を東京都武蔵野市から福岡県筑紫野市へ移した。それは、生産地に入り込んで製造現場をしっかり見ながらものづくりを支援しない限り、売れるものができないという想いがあったからだ。九州を選んだのは、この地では様々な産地、産業があり、それぞれの生産規模も大きいことにあった。つまり、力のあるメーカーが九州には多そうで組応えがあるというのが最大の動機だが、他に、以前から大分県のアドバイザーを務め、九州に馴染んでいたこともあった。

それから干支がひと回り、ものづくりを取り巻く環境は明らかに変化した。海外からの比較的良質で安価な商品の流入(多くは日本の企業が関わっている)、消費者の買い控え、もの余りという背景に加え、企業の努力不足もこのブログで述べてきた。このままでは製造業、特に海外に市場を持たない中小企業の将来は厳しい。その対策として、商品開発を従来のようなプロダクトアウト(製造優先)からマーケットアウト(市場優先)、更にユーザーアウト(ユーザーがものづくりに関わる)に変えることが急務であり、その具体的な行動として私どもは生産地・九州から消費地・東京へ戻ったのである。

どっぷり大市場に浸かってユーザーの声に耳を傾ける、だけでは意味がない。新たな方法で集めたユーザーのニーズを私どもなりに咀嚼、つまり、デザインを含む具体的な商品の姿にして、メーカーに示すことがこれからの使命と考える。その責を負って仕事の終章を成せれば幸いである。(S)


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