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出会い

投稿者:(M)

アンテナを張りながら歩いていると、ビビッと来ることがある。モノであったりヒトであったり。福岡のギャラリーでこれに出会ったときもそうだった。仕事柄もあって、後日工房を訪れ、とうとう手に入れてしまった。まずはこの端正な佇まいをご覧ください。網代編みの竹籠バッグ19×20cm、厚み9cm。画像では細部が見えないので残念だが、内側には泥染の布が貼ってあり、口は布を折り畳んだ蓋になっていて小さな竹のボタンで留められている。隅々まで行き届いた仕事ぶりである。私はパーティーバッグとして使っている。

そうなるとその作者(竹工房ふくる・前田秀子さん)のことも忘れられなくて数年のお付き合いがある。その数年の間に彼女は鹿児島に移り、出品した鹿児島市工芸展でみごと市長賞に輝いた。

その後、出産、子育てのブランクを経て、そろそろ仕事に戻ったらしい。過日寒中見舞いのハガキに刷られていたのが右の近作。お母さんになって少し発想が柔らかくなったのか、カジュアルな服装に似合う作品になった。ギャラリーでは若い人に人気があるという。

日本の竹工芸の技術は素晴らしい。なのに多くの伝統工芸の例に漏れず、先行きは明るくない。ある業者は作家から作品を仕入れるかたわら、それを中国や東南アジアに持って行き、そっくりな商品を作らせて最後の仕上げを残して国内に持ち帰り、国内で仕上げだけさせて、国産品として安価に販売している。一方、国内のいわゆる作家物は20万円台から上は100万円近くまであるが、それでは買える人が限られてしまう。買った人は使うのが惜しくて床の間に飾っているとか。クラフトはアートではないので、使ってこそ生きるというのに。さらに、一旦そんな値を付けてしまうと、売れないからと言って下げることもできない。売れなければ生活が続かないから技術を捨てる人もいる。

たくさんの矛盾を孕んだ業界の中で、雑音などと無縁にコツコツと、使える良い品を模索しながら作る若い作家さんを応援したくなる。どんなに強い風が吹いてもオリジナルは負けないよ、と彼女に言いたい。ちなみにご紹介した竹籠、網代編みのものが5万円台、近作の「巻きむつめ」(23×18、厚み14cm)は3万円台。興味のある方はこのHP問い合わせ欄からお気軽にご連絡ください。感想やご意見もどうぞ。(M)

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